●今後の情勢によって円への売り圧力さらに強まる
<三菱UFJ証券 シニア
投資ストラテジスト 服部隆夫氏>
事実関係がはっきりしていないので正確な判断ができる状況ではないが、地政学的なリスクの高まりを受けて、
外為市場では地理的に近い日本円や韓国ウォンが売られている。今後の情勢によってではあるが、円には売り圧力がさらに強まるだろう。ドル/円は120円を目指す動きとなる可能性がある。
ユーロ/円も史上最高値を再びうかがう値動きとなりそうだ。
核実験を実施したとなれば、影響は様々な広がり方が考えられる。例えば放射能漏れはないのか、実施場所によっては日本への影響があるかもしれない。北朝鮮に理解を示してきた中国が実験の実施で態度を硬化させるようなことになれば、孤立した北朝鮮がさらに何をするかわからない。日本や
韓国など近隣諸国にとっては、何かしらの経済負担が発生する可能性がある。
実験が事実なら、安倍首相の訪中・訪韓中に行ったことにも、何かしらの意図があるかもしれない。安倍首相はこれまでの言動から、北朝鮮から強硬派と見られていてもおかしくない。安倍首相も来年の参院選までに
ポイントを稼ぎたいと思っているはずで、ファンダメンタルズを抜きにすれば、安倍首相の存在がアジアの地政学的リスクを高めやすくなる側面があるかもしれない。
米商品先物取引委員会(IMM)によると、10月3日までの週の円売りポジションはネットで10万4151枚と、史上最高水準にある。円売りの平均コストは116円から117円付近とみられ、119円台を超えると利益確定の円買い戻しが強まることも考えられる。しかし、これも今後の情勢次第。続報に注目したい。
●危険度の高まりは円売り材料になる
<日興シティグループ
証券 為替ストラテジスト 山本雅文氏>
放射能漏れなどの危険はないとしているが、危険度の高まりは円売り材料になると思う。米国や中国にとっても、核実験は一線を越えたことになり、イラク開戦前の時のように緊張感が高まると
金融市場には良くない影響を及ぼしそうだ。ドル/円は119円ぐらいが上値のめどだと思っていたが、今後の展開によっては昨年末につけた121円台の高値が視野に入ってくる可能性もあるだろう。
●追加の円売り材料になりそう
<三井住友銀行 市場営業推進部ストラテジスト 宇野大介氏>
安倍首相が中国・韓国を訪問しているタイミングで、核実験を強行したのは若干サプライズ。だが、近々に核実験を実施する可能性を表明していたし、事前に伏線はあったので、内容自体に驚きはなかった。
北朝鮮は、交渉相手としてアジアよりも、米国を引き出すためにやっていることだと思う。国連安保理などを通じた北朝鮮に対する対応は、変わらないだろう。北朝鮮に対して国際的な制約が強くなるだろうが、それによって北朝鮮の行動を束縛することにはならないと思う。
金融市場では、
為替相場は1ドル=119円台に円安が進んでいる。これまで円売り地合いだったが、追加の円売り材料になりそう。円安が進む可能性があるとみている。
株式相場は、米国株につれて上値を試す地合いとなっていたのに、若干水を差す材料になるかもしれない。ただ、核実験実施表明の第1報の時にも、あまり反応はなかったので、影響は限定的なものにとどまるのではないか。
債券には直接的な影響はなく、株価の動向にらみだろう。もし、株安に振れれば「質への逃避」で買われる可能性もある。
小泉前政権の時だったらかなり緊迫感が高まってバタバタしたかもしれない。しかし、安倍政権は発足してすぐに中国・韓国を訪問し、外交努力をしていたので良かったと思う。
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為替市場への影響は今後の展開次第
<野村証券 金融市場部・次長兼為替課長 河野文彦氏>
為替市場への影響は今後の展開次第だが、北朝鮮への国際的な圧力は強まると予想され、とりあえず円は買いづらいだろう。 ドル/円は118円前半のレジスタンスを完全に上抜けたので上昇しやすい状況にあり、テクニカル的な要因がもう一段の上昇のきっかけになる可能性もある。
次のドル高/円安方向の
ターゲットは昨年12月の高値(121.40円)だ。ユーロ/円も上昇する可能性はあるが、すでに最高値圏にあるため、一段と上昇していくかは不透明だ。北朝鮮の核問題が実験終了で一段落するのか、それとも強い制裁措置が取られ、より大きな国際問題に発展していくかによって決まるだろう。